時間の矢とは、イリヤプリコジンに代表される時間発展の概念から
生まれた言葉で、時間は過去から未来へと進んでいくことを示している。
ニュートン力学では、時間対称性のある微分方程式によって、
記述され、放物線を描くボールが、たとえ逆再生をしても
それほど違和感がないのは、時間対称性があるからである。
それとは別に、生き物は時間の矢に束縛され、
すべてのものは過去から未来へと「生きる」ことが宿命とされている。
したがって、すべからく我々は時間というものを必ずや意識しなければならない。
先日、久々に東京の旧友と共に時間を過ごした。
気がつけば、あっという間に3年あるいは4年の月日が過ぎようとしていた。
それは、筆者が東京にいた頃よりも、既に時間軸のスケールとしては、
大きな値となっていた。
その時間の矢は、旧友に決定的な変化を与え、結婚、出産と、
正に後戻り等できない変化を与えていた。そして、もうじきそのような
体験を経ようというものもそこにはいた。
それでも久しぶりに集まり、最初は多少の変化に若干の戸惑いもありながらも、
思い出話に花を咲かせると、自然と笑みがこぼれてきた。
時間の矢は戻らない。
だから、また明日は、みんなその矢の先で、生きていく。
でも一緒に共有した時間をちょっと振り返るだけで、
どうしてこんなに楽しい気分になるのだろうと考えながら、
明日からに備えて、今日は寝ることにしよう。
おわり