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Time's Arrow

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愛とは何か

新幹線は京都を出発し、名古屋を経て今は東京へと向かっている。

ぱらついた雨が時々新幹線の窓に降りかかり、バサバサと鋭い音を立てる。
外を眺めても猛スピードであらゆる景色が塗り替えていくため、脳の情報処理が追いつかない。

追いつかない変化についつい閉ざされた世界に浸っていく。

知り合って9年もたつのかと、招待された結婚式の座席表を見ながら思う。

人が時間の運命から逃れることはできない。
生まれたことによる決定的な出会いは座席表の一番下に記される。
それは、親や兄弟であり、祖父母やおじさん、おばさんである。

また誰しもが小学校、中学校、そして高校へと進み様々な出会いをする。
その時人生に華を添えてくれた仲間がこうして並ぶ。

共に過ごした大学時代。

前列には今を支える職場の方々や上司が並び、もちろん中心にはこれからの人生を共に歩む伴侶が席を並べる。

三次元を二次元に落とし込むことすら難しいのに、二人の人間の四次元世界がすっきりと二次元に縮約されている。

この友人がここにたどり着くまでの経緯、座席の余白から透ける行間のような余韻。

僕が関与した部分だけでもドラマがあり、そして思い出される。

言葉遊びに励んだ日々。
逆説的であることが、一つの誇りであると感じた若かりし血。
失ったままの友。
悩んだ夜、そして決断した日。
共に成長を実感できた毎日。

人の歴史は明らかにその人を一つの道へと収斂させる。


「愛とは何か」
コードされてはいるがいくらかの偶然に支配された速度論的存在(命)が必要な物質(体)を手に入れて、一部制限は存在するがランダムに現れる境界条件(友人、同僚、上司、先生、恋人)によって、極めて大きな制約を受けながら発展し、その境界条件の中で現れる内部ポテンシャルが、ある一つの安定解(結婚)を見いだす少なくともそれ以前に、自発的か意図的かは問わずとも決定的に意識するであろう感情

僕はいつまでこんな言葉遊びにふけるのであろうと思いながら、
自らが導いた安定解に屈託のない表情を見せる親友に感慨深くなり、そして少しうらやましくもあるのであった。

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番傘をしたり落ちる雨もまた一つの境界条件となって二人を近づける。





東京に着くとさっそく都会の喧噪にのまれていく。
うろうろと一人歩く上野の街で、先生のスピーチが思い出される。

一人笑ろうて暮らそうよりも二人涙で暮らしたい

おわり

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by faceless_masses | 2010-10-05 23:29 | 日常
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